秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
揺れるココロ




「ただいま……」

「おかえりなさい。遅かったのね。」

ぐったりと疲れた身体を引きずって、私は家に戻った。



「おかえり。」

「ただいま。」

瑠威がリビングのソファに座ってまったりしてる。
それは私にとってはもう見慣れた光景だけど、さゆみが見たら、びっくりしてひっくり返っちゃうようなものなんだよね。



「夕飯は食べて来たの?なにか食べる?」

瑠威の隣にママが腰かける。
その仕草がとても自然だ。



確かに、お似合いなんだよね。
ママの方が年上には見えるけど、だからといって不自然っていうほどのことではないし、並んだ二人はとても絵になる。
二人の間に流れてる空気感みたいなものが、なんだかとっても良い感じなんだ。



「望結……どうかした?」

「え!?あ……な、なんでもない!
マ、ママ…何かある?」

「ぶりだいこんがあるけど…食べる?」

「食べる、食べる!」

電車の中では疲れ果てて、帰ったらお風呂に入ってすぐに寝ようと思ってたけど、なんだか急にお腹が減ってきて…
まぁ、あれだけうろうろしたんだから、それも当然のこと。
だから、やっぱり夕飯をちゃんと食べておくことにした。
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