先輩、私のこと好きになってくれますか?
目の前で右往左往している桐生さんは、
サッカー部の方をチラチラ見てはため息。
何か用事かな?
そう思って話しかけようとした時に、
目の前で自分の足に自分の足を引っ掛けて、桐生さんは転けた。
咄嗟に話しかける。
初めて話した桐生さんは、
雰囲気までもが柔らかくて優しくて、
ずっとドキドキしっぱなしだった。
そんな目で見ないで。
いや、見て。
そんな矛盾した気持ちを持ち、
桐生さんから出た理央の名前に若干の残念さを持ちつつ、理央を呼んだ。
それから2人がすごく仲良くなったのは驚いたけど、
こうやって俺とも仲良くしてくれて、
しかも「好きになってくれますか?」なんて言われて、
もう好きだよって、即答するところだった。