captivate
第4章 神光の剣聖
レヴァンティーン共和国最南端の港を持つ都市、エルグラド。


まだ月が昇りきったばかりの空には星が散りばめられ、その下に広がる街の建物の輪郭は街頭が照らし、その形を確かなものにする。


そんな街の外れに屋敷が一軒あった。


屋敷の2階のベランダには女性が一人立っている。


深い藍色の髪に、蒼い瞳。髪はウェーブのかかった、肩の少し下までの長さ。


ノースリーブのハイネックを着たその女性は、月を見据えて口を少しだけ開く。


誰にも聞こえない程の、自分でも聞き取ることの出来ない様な声で、言葉を空に吐いた。



『クリス…』


女性は口を閉ざし、赤く染まる月を、その蒼い眼で見つめた。
< 65 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop