ヒーローのそばで。
変わり始める季節は。
千聖の一言で、俺は放課後の教室へ全力疾走した。

*******
放課後。
「あー。工藤さんの笑顔、すっげぇ可愛かったな〜」

「ニヤけてんなよ、キモイな。」

今朝の工藤 桜楽のあの笑顔は、俺も正直に可愛いと思った。

桜の1枚1枚の花びら全てを輝かせている感じだった。

「それにしても、なんで三吉は学級委員を工藤さんに指名したんだよ〜。絶対狙ってるよな!?今日の放課後は2人っきりで資料作りだってさ〜。三吉が羨ましいぜ〜」

………………は?

2人っきりで、放課後の教室で資料作り!?

「な、春河ー!お前も羨ましいと思っただろ?」

俺の思考が完全に停止した。

気づくと俺は走り出していた。



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