kissからはじまる恋せよ乙女!


「え....」


私の腕を掴んできたのは



裕翔くんだった


「....え?」


問いかけられた質問の意味が解らず問い返す


「っ...だから、俺のこと....覚えてねぇの.....」


「わ、私たち何処かであったかな....?」


本当にわからなかった


私が昔のことを忘れてる?


裕翔君と会ったことがある?


「....っは」





「っはは、そうか、そうかよ。」


そう言ったかと思うと裕翔くんは私の腕を掴んでいた手を離した


「ご、ごめん」


「...なんで、アンタが謝るワケ。」


それ以上言葉が続かなかった


だって


あまりにも辛そうな顔をしているから


「あ、あの...!!」



「行けよ」



「薫さん。こいつ連れてってください」



「えっ....あ、うん」



そう裕翔くんは浪川くんに言った


「さ、行こう」


「は、はい」


私は浪川くんに連れられエレベーターの方に向かった


ふと裕翔くんと目が合った気がしたけれどすぐに逸らされた


また、あの目だ

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