As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー





私が通うのは、電車で30分程の場所にある、有名な高校。





まるで大学のキャンパスの様に広く、白で統一された校舎は、外装も内装もピカピカ。





教室に入れば、友達じゃなくても社交的なクラスメイトの数人は『おはよう』と挨拶をしてくれる。





廊下側の後ろから2番目の席に着くと、カバンから課題のノートや教科書を取り出す。





先生が来れば直ぐにホームルームが始まり、それが終われば1時間目の授業が始まる。




1時間目の授業が始まってもまだ後ろの席は空席。




きっと、撮影なんだろう




後ろの彼は有名なアイドルだから




こういうことも良くある




人気のアイドルってそりゃあ忙しいよね




人気なのは良いことだけど、なんだか少し寂しい




1時間目が終わり、次の授業までの合間、息を切らせた彼がやってきた。




「はぁ、間に合ったー」





「お疲れ様」




「あ、千代!」




「撮影、意外と早く終わったんだね」




「まあね。でも、古文の課題……終わってないんだよね」




チラリと様子を伺う様に私を見てくる。



その目はもう何度も見てる。




「見せてあげようか?」




「ありがとう!」



キラキラとしたその笑顔は別に意識してるわけでもなく、自然だ。




こういう所が、パパに見初められた理由なのかな




アイドルとしての彼も、プライベートの彼も、私は沢山知っている



多分、ファン以上に




だけど、学校でそれは秘密だ




そんなことであまり目立つのは私としても彼としても良くないからね






葉山悠太


身長178cm、5月25日生まれ。



日比谷芸能プロダクション所属


ここ1年ほどで急激に人気になったアイドルグループ『StarRise』の一人


おっとり癒し系キャラとファンに人気




まぁ、この他にも色々あるのだが、言い始めたら切りがない







「千代〜」
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