As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
「はぁー、可愛かった」
猫カフェを出て、私は余韻に浸っていた。
「猫も可愛かったけど、猫と戯れてる千代も可愛かったよ」
「な、ななな……!」
冗談も大概にしてほしい……
「あ、冗談とかじゃないから。事実だよ」
心を読まれた!?
「うぅ……」
上手く言葉が出ない。
というか、あんまり悠太の顔が見れない。
なんと言ったらいいのか、テレビや雑誌で見る格好とも、普段のプライベートでの格好ともどこか違う格好よさが滲み出ていて……
服の雰囲気と、ワックスで整えた髪が、大人びた印象を与える。
まぁ、中身はいつもと変わらないけど。
その後も、雑貨屋さんだのなんだのと、ウィンドウショッピングを楽しんだ。
「そろそろ、お昼にする?」
「そうだね」
「ねぇ、ねぇ、あのカップル美男美女じゃない?」
「あ、本当だ〜!……あの男の人、どこかで見たことがある気がするけど……」
「そう?気のせいじゃない?」
「確かに、雰囲気違うしねー。気のせいかな」
そう言いながら、女の子2人組はすれ違っていった。
あ、危なかった…………
二人して口をぎゅっと結び、額に冷汗をかいた。
裏通りの静かなイタリアンレストランに入ると、ふっと肩の力が抜ける。
そうだよ、悠太は国民的アイドルなんだから、こんな所を写真でも撮られた不味い。
それにしても、お昼時だというのに、このお店はお客さんが少ない。
そんなに不評なんだろうか。
4人席が3つに、2人席が2つの小さなお店。
お客さんは、私たちを抜くと、おおらかなお爺さん1人だ。
メニュー表と睨めっこしていると、大学生くらいの店員さんにが注文を取りにきた。
「ご注文お決まりで______________あの、もしかしてStarRiseの葉山悠太……さん?」
悠太の顔を見て、驚く店員さん。
そりゃあそうだよね
「あー、えっと…………そうです」
流石に、ここまで至近距離で見られちゃあ、否定しようが無い。
さて、次に問題になるのが……
「そちらの方は……」
そう、私の存在だ。
この店員さんが、今後何をしでかすか分からない。
もしかしたら、今日のことをSNSで書き込みをしてしまうかもしれない。
だから、このあとの私の言葉で今後の人生がかかってる。
「……スタイリストです。今日は『葉山』さんに似合う撮影用の洋服を探していまして。ビジネス関係者ですよ」
あぁ、良かった
今日は大人っぽい格好をしていて
「今日のことは秘密にして貰えますか?」
悠太のアイドルスマイルを見ると、頬を染めた店員さんが大きく縦に首を振った。
「で、注文何ですけど、ミートソーススパゲティを一つ」
「僕は、カルボナーラで」
「はい、ミートソーススパゲティお一つと、カルボナーラお一つですね」
復唱し、「少々お待ち下さい」と一言付け足すと、厨房へ姿を消した。
「はぁ……危なかった。それにしても、スタイリストさんって……」
「マネージャーにしては格好が変かと思って」
思い浮かばなかったんだから仕方がない。