あなたにキスの花束を
すみませんでした。疾しい事を考えて、脳内ただれてて、お腹の中がまっくろくろすけですみませんでした。
心洗われるようなその笑顔に、私は精一杯土下座したい気持ちになった。
我ながら自意識過剰がひどかった。恥ずかし過ぎる…!
…そっか。好きな人が居たんだ。
同時に少しだけ、しょんぼりと項垂れた。
よく意味は分からないけれど、要するに彼には想い人が居るらしい。
なんだ、元々私なんかが好きになったって、叶う相手じゃないんだ。
ほどけた安堵と奇妙な失望が綯い交ぜになって、複雑な表情になる。
流石、引きが悪い私。惹かれた彼には既に想い人有り。今回もブレが無い。
「司さんなら、普通に告白すれば、大抵の女の子はイエスって言うんじゃないですか」
「買い被ってくれるのは嬉しいけど、そう簡単じゃないんだよ」
「でも私に何ができるんですか? 司さんの事すらよく知らないのに、告白のお手伝いなんて」
「できないと思ったら頼まないよ。君じゃなくちゃ駄目なんだ」