答え合わせ




「あははっ!  ゴメンゴメン。ってか、どっか出かけてたの?」


「あ、はい。ちょっと書店まで」


「へぇー、本読むんだ?」


「はい。今、読んでる本の下巻が出たんで、それを買ってきたところです」


「そうなんだ~。あっ、ちょっとこの道通らない?」


先輩は、裏道を指差す。


この先には、怪しげな雑居ビルや薄汚れたシャッター街が軒を連ねている。


通称ヤクザ通り。市の人間ならば、たいていは避ける道。僕も当然、通りたくない道。


「…先輩。この道、知ってますよね?  なんでこの道なんですか?」


「んー、知ってるよ?  でも、この先の土手から見える風景、キレイなんだよ~。だからさ、ちょっとだけ寄ってみたいんだけど、いい?  それにさ、こんな明るい時間には、いないよ」


「…そうですよね。すぐに帰れば大丈夫ですよね?」


「そうそう」


ちょっと迷ったけれど、確かに先輩が言うように、まだ明るい。


そんな訳で、僕と先輩は、ヤクザ通りへと足を踏み入れた。



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