エリート上司に翻弄されてます!
いないですけど!、とまで言いそうになったが何とか口に出すまでに止めることができた。
「何?こっち来る際に別れたとか?」
「何でそこまで言わなきゃいけないんですか」
「俺たち一緒に働く仲間だろー。お互いのこと知っとくべきだって」
「先輩、日高さんと仲良くしたいんだったらもう何も話さない方がいいと思います」
私がそう説得すると「え、何俺嫌われてんの?」とビックリする乾先輩。
何故今まで気が付かなかった。ポジティブ恐ろしい。
すると日高さんはこの話題を変えたかったのか、または個人的に興味があったのかわからないが何やら面白そうに乾先輩の方を見ると言った。
「そういう乾さんこそどうなんですか?彼女、いるんですか?」
「え、」
まさか反撃を食らうとは思っていなかったのか、彼の表情が一瞬崩れたように見えた。
「えー、乾さんに彼女がいたらもう会社とんでもないことになりますよ」
「何人の女性社員が犠牲になるか」
「そうだよなー、本当俺って罪な男……て、何聞いてんだよ日高。ビックリするわ」
「気になったので」
乾先輩は「俺は皆のものだから彼女は作らないんだよ」のいかにもな答えを出して得意げに笑う。やはりこの男はこういう感じだよな、と変に納得していた私だった。
しかし日高さんはその答えに引っ掛かりを覚えるのか、更に問いかける。
「好きな人も?」