そこには、君が
「そんなことがあったの!」
「…うん、」
休み明け。
体調が万全になった私は、
早速学校へ行き凛に報告。
ただ単純に話をしたかっただけなんだけど、
どうやらそうもいかない様だ。
凛の目が、キラキラしている。
「そういえば今日の朝、話してなかったよね?」
「いや、なんていうか…」
看病してくれたあの日から、
私はどうもおかしい。
いやおかしいというか、なんていうか。
大和が見れなくなった。
話は普通にするんだけど。
顔が見れない。
「避けてるの?」
「自分ではそんなつもりはないんだけど、」
昨日も、今日の朝だって。
名前を呼ばれるだけで、気恥ずかしい。
なんで。どうして。
そんなこと考えてたら、
どうしても話せなかった。
「明香」
凛と話しているところへ、
大和がやって来た。
去年と違うことは、
同じクラスに大和がいること。
「具合、悪くないか」
「悪くないよ。大丈夫」
あの日から。
私が体調を崩した日から、
大和はすこぶる過保護だ。
「顔色悪くね?」
少し訂正。
あの日からじゃなくて、
ずっと前からだ。
「もう!大丈夫だってば!」
私の顎を掴み、クイッと上へ向ける
大和の手を私は思い切り払い除ける。
大和って本当、自分の行動が誰に
見られてるとか、微塵も関心がない。
みーんな見てるんですけど。
「帰り、1人で帰んなよ」
「いいってば、もう。凛と遊びに行くから」
「じゃあ着いてく。京也もいるから」
じゃ、と。
教室を出ていく大和を、
私は横目に、火照った顔を両手で覆った。
「ちょっと?私たち、遊びに行く予定ないですよね?」
「あ、はい。すみません…」
もう何かいつもの調子にいかなくて、
テンパった。
私、どうしちゃったんだろう。
「でもさ、明香」
「ん?」
「どんどん好きになっていくんじゃない?」
永森くんのこと、と付け足した。
「な、ないでしょ…!」
「私はそう思うけどな。いいと思うよ?」
いいと、思う、か。
向こうで楽しそうに京也と話す大和を、
私は遠くからじっと見つめた。