そこには、君が




「じゃあ4人で、」





「やっぱり2人で」





私の言葉に被せて、


訂正をする大和。







「2人で過ごそう」





「本当?」






ああ、と。


少し照れくさそうに、


返事をしてくれた。


2人で過ごすクリスマスなんて、


初めてかもしれない。






「俺が計画するから」





「でも、いつも悪いし…」






そう言った私の口を大和は手で押さえ、


強制的に私を黙らせた。






「いいから任せろ」





コクコクと頷きを見せると、


ゆっくり手を離してくれた。


付き合ってから分かったこと。


大和って、意外と計画的で、


優しいんだなってこと。


いやもちろん、優しいのは分かっていたけど、


付き合う前と変わらないと思っていたから、


全部私任せになることを覚悟していた。


だからちょっと、びっくりというか何というか。






「じゃあお任せします」





「もういいから寝ろよ」





「ん。おやすみ」






そして互いに見つめ合って、


軽く触れるだけのキスをして、


深い眠りについた。


いつもは夜中に目が覚めたりするけど、


大和の腕の中で眠った今日は、


1度も朝まで起きることはなかった。






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