深夜1時のラブレター
「あい」
ありがとうございました、と。
そんな声が聞こえた後に、診察室の中からほまれが顔を出した。私はその姿を認めた瞬間、彼のところに駆け寄る。
電気を最小限に絞った救急外来の待合室は、私たちの他にもう1組の男女連れがおり、彼らは好奇に満ちた目でこちらを見ていた。
無理もない。
だって、念の為に付いて来てくれた警察官が1名、ずっと傍にいるのだから。
何か事件かな?と思うのは、当然だ。
「ほまれ!どうだった?」
「大丈夫、かすり傷だって」
ほまれは白い包帯が巻かれた腕を、曲げたり伸ばしたりして動かし、ね?大したことないでしょ?と、笑う。
私を安心させようとしてくれてるのだろう。
青白い顔をふにゃっと緩ませた笑顔を見て、胸が痛くなった。
「あいの上司さんから、連絡あった?」
「あ、うん。さっき」
「そっか」
警察に連れて行かれた日野さんは、何も喋らないらしい。
けれど、自分がしたことは認めていて、私やほまれが被害届を出すかどうかにもよるけど、しばらくは拘留所に入れられることになるらしい。
疲れ切った様子のりゅうじさんが、そう教えてくれた。
「今日のところはひとまずこのままで、後日、警察署に来るように、だって」
「そっか、分かった」
「ねぇ、ほまれ……」