深夜1時のラブレター
「大丈夫だ」
「……りゅうじさん」
「大丈夫だから、お前も念のため医者に診て貰ってこい」
りゅうじさんに抱きしめられた瞬間、涙が溢れた。
混乱している自分と、しっかりしろと自分を叱咤する自分が、心の中で激しくぶつかりあっている。
彼はそんな心ごと、私を包んでくれた。
私が入社したての頃の、りゅうじさん。
時枝隆司は、とても近寄り難く怖い存在だった。
仕事にストイックで、妥協を知らなくて、部下に声を荒げて叱ることはないが、褒めることもない。
淡々と、厳しい現状を突きつけてくる人。
そんな彼と私の潤滑油になってくれたのが、日野さんだ。
『もっと自分の意見をどんどん出していいんだよ』
『だいじょーぶ!熱意にはちゃんと熱意で返してくれる人だよ』
日野さんがそう言って、いつも私を励ましてくれたから。
だから、臆することなくりゅうじさんにぶつかっていけたし、その分、私は彼に可愛がられた。
柊木亜依というパーソナリティーが存在する陰には、日野さんという大きな存在があったからだったのに。
信頼していた。
大切な仲間だと思っていた。
でも彼は、私のことが嫌いだったの―――?