そこにいた

「うーん。 






将来って言われて、もうすぐ高校卒業なのに。





何も考えてなぃ・・・・・・です。」






「そうなの!?





もったいない。」






運転しながらたまに私の顔を見て話す武田先生。





「これを機会にしっかり考えてみたら?」





「はい・・・・・・。」






正直、気が進まなかった。






心のどこかで、社会に出ていくのが怖いと思っている。






今まで病院にこもりっきりだったから。






会ってもお母さんか、病院のお医者さんか看護師さん。






ただ、このままではいけないことは分かってる。






いつまでも親に頼ってばかりじゃダメだって。






でも、怖い。
< 119 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop