そこにいた

さらに次に目を覚ますと、翌日になっていた。


やっぱり痛みで起きる。


それでも我慢しなくちゃ。


そんなことを考えていると、集中治療室の先生と看護師さんが回診にきた。


傷口の消毒。
ものすごく傷に消毒液が染みて痛むけど、じっと我慢する。



「どう?痛みは?」



「大丈夫です。」



先生の顔を見ずに、それだけ答えた。


先生も私が話したがらないのは分かっているのか、それ以上のことは聞かなかった。


「今日一日様子を見て、何もなければ明日から、元の内科に戻れるからね。」


「はい。」


そういうと、先生と看護師さんはベッドから離れて行った。



きっと、このやり取りが普通の医者と患者なんだと思う。



そう思うと、武田先生と亮先生は私にすごく親身になってくれている。


なんだか、すごく武田先生に失礼なことを言っちゃったのかな。


いや、でも手術は、私の望んでたことじゃないもんっ!!!


やっぱりおかしい!


そんなことを思いながら、やはり術後だからか、すごく眠たい。


私は再び眠りに落ちた。
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