君とベッドで秘密事。
でも、彼にどうこう言うつもりはない。悪いのは私。彼の優しさに漬け込んで曖昧な関係に持ち込んだ私が悪いんだ。
颯真に声をかけたのは気紛れ。寂しくて一人でいたくなくて、ナンパから助けてくれた颯真に、声をかけた。
颯真は、驚いていたけどマンションに招き入れてくれた。マンションに行くということは、そういうことになるんだろうと思っていた。別に抵抗するつもりもなかった。
けど、颯真は手を出してこなかった。まあ、私が爆睡したせいだったのかもしれないけど。それ以後も襲われることもなく。
女としてどうなんだと思ったけど、世の中の男たち全員が狼なわけじゃないのかと初めて思った。颯真は、とても紳士的でそれはそれで新鮮だった。
そもそもよく考えれば颯真と私の関係は、怪しい。友達ではないから知人?いや、文字通り寝るだけの関係だから添い寝フレンド?
何なんだろ。
足りない頭で考えていたら、手が止まっていたらしく颯真が申し訳なさそうに「美味しくなかったか?」と訊いてきた。逆にこちらが申し訳なくなり
「美味しいよ、颯真の朝ごはんはいっつも美味しい」
と言ったら颯真は、嬉しそうに笑った。