Disposable
ジャングルの村
刑務所を脱獄し、一体何時間ジャングルを歩き続けただろうか。

マクナイト分隊を退けて以降、追っ手らしき影は見当たらない。

「バニング、なぁバニング」

僅かに呼吸を乱しながら、ヒューが後ろで言う。

「少し休もうぜ」

「何だ、もう疲れたのか?」

肩越しに振り向いて、バニングがヒューの顔を見る。

「いや…俺は全然平気だけどな…お前は歳だろ?少しは休ませてやらないと可哀相だと思ってな」

下手な嘘をつくヒュー。

「俺も全然平気だ」

「無理すんなよ、ヘトヘトだろ?」

「いや」

「ホントにか?」

「ああ、あと2日は余裕で歩き続けられる」

「……」

「……」

「あー!悪かったよ!」

大袈裟に両手を上げるジェスチャーを見せながら、ヒューは声を上げた。

「喉は渇いたし足が棒みたいだ、少し休憩にしようぜ」

「…そうしよう」

バニングは微かに笑った。

< 121 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop