Disposable
ヒューはフォークをテーブルの上に置いた。

「いいかバニング。この特別戦犯刑務所は、全部で3つの棟に分かれている。まずは一般の囚人がいる通常棟、死刑囚がいる特別棟、そして重罪の囚人がいる独房棟だ。危険度で言えば死刑囚が一番のように思えるが、案外そうでもない。ここの死刑囚は達観しちまってるからな。一種の僧侶みたいなもんだ。看守の方が危ないくらいだ」

そこまで言って、ヒューは一呼吸置く。

「ここで一番危険なのは、死刑宣告を受けてる訳でもない、かといって看守や所長の言う事も聞く気がない…凶暴なケダモノのような、独房棟の重犯罪囚達だ」

重犯罪囚…具体的には、10人以上もの人間を殺害し、刑務所内でも傷害沙汰を起こすような危険人物。

独房棟には、そういう連中が収監されている。

その独房棟の中でも最も危険なのが、第4独房棟。

この刑務所のランキングナンバー1が収監されている場所だ。

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