Disposable
バニングが懲罰房の扉を開けた途端、非常警報が鳴り始めた。

特別戦犯刑務所は、ハイテク化が進んでいる最新鋭設備の整った刑務所だ。

指紋認証により、所長、看守以外の者がドアノブに触れるだけで、警報が作動する箇所もある。

だがバニングは、それも計算に入れている。

懲罰房を出るなり、廊下を走り始めた。

この刑務所の見取り図は、今までの服役生活で頭の中に入っていた。

バニングは一直線に武器保管庫へと向かった。

武器保管庫。

脱走者や所内での暴動に備えた、銃火器類を保管してある倉庫。

まさに今現在のような状況を想定しての事だ。

バニングは武器保管庫付近まで行き、身を潜めて様子を窺う。

既に、多くの看守が銃を手に捜索に向かっている。

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