Disposable
「脱獄囚の捜索任務だと伺っていますが」

「そうだ」

マクナイトの言葉に、フォードは頷く。

「バニング・ロスとヒュー・ヴァレンタインの2名が脱獄し、現在も逃亡中だ。早急に探し出せ。最悪射殺しても構わん」

「……」

いとも簡単に囚人の射殺命令を出すフォードに、マクナイトは眉を顰める。

「バニング・ロスといえば、先日のマリオン・スチールメイル脱獄の際に独房の清掃作業をしていた受刑者ですよね」

声を上げたのはマクナイト分隊の若手、リック・グライムズ特技下士官。

「そうだ」

フォードは頷く。

「大戦中は南米戦線でグリーンベレーの大尉を務めていた男だ。ジャングルでのゲリラ活動を得意とする。油断するなよ」

「…グリーンベレーは、フォード所長も大戦中に所属していた部隊ですね」

マクナイトはフォードの顔を見る。

「嘗ての部下に、容易く射殺命令を出すんですか…?」

< 83 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop