かわいいあなたにマフラーを
その姿を見てからと言うもの、俺は彼女から目が離せなくなっていた。

そして今は、彼女の名前の季節。
彼女の姿を焼き付けたあの春の日から今現在、秋まで、俺は彼女を見つめ続けている。

「お~い、笹野? さ・さ・の?」

「うをっ! 緑木!
な、なんだよいきなり!」

突然顔を覗き込まれて、名前を呼ばれて、驚いた。

緑木は、バスケ部エースのイケメン野郎。
綺麗な顔が近い。
って、俺にそんな趣味はないけど。

ちなみにこいつには、最近年下の可愛い彼女が出来たらしい。

俺はてっきり、幼馴染だという6組の紅さんと付き合うもんだとばかり思っていたんだけど、そうでもなかったようだ。

それにしてもいいなぁ、彼女か。
俺も静谷と、そうなれないかな。
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