かわいいあなたにマフラーを
「い、井口、離してくれ。
これじゃ、誤解されて……」

「いいじゃないっ、誤解されても!
てか、本当にしよ!
ね、あたしと付き合って!」

慌てる俺に、離さない、と強さっきよりも強くブレザーを握る井口。

し、知らなかった。
井口が俺を……?

いや、だからって揺らぐような気持ちはないけど。

「……ごめん」

本当は女の子の手を払うなんてしたくなかった。
力の差もあるし、いくらなんでも失礼だと思ったから。

でも、離してくれないんだから仕方ない。
俺は謝りながら少しだけ力を込めて、井口の手を払った。

「俺、彼女以外、見えないから」

井口には悪いけど無理なものは無理だ。

俺は静谷が忘れたペンケースを手に、振り向くことなく足早に生徒会室を出た。

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