かわいいあなたにマフラーを
曲がり角で足を止める。

静谷は真っ直ぐ帰ったか、それともいつも通り回り道したか……。

少し考えて、真っ直ぐ向かうことにした。
回り道をして公園に寄るのは、俺が誘うからだ。
寒い中、一人で行くこともないだろう。

キョロキョロしながら歩き、くまなく彼女の姿を探したけど、とうとう彼女の家の前まで来てしまった。

結局、彼女に会えなかった。
早く誤解を解きたいのに……!

彼女の部屋のある二階の窓を見上げる。
カーテンが引かれていて、電気も付いていないようだった。

明日、誤解をとこう……。

俺は諦めて、肩を落としながらトボトボと帰路についた。
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