かわいいあなたにマフラーを
「……わ、わかった。
で? その誕生日会、いつ?」

「明日」

え、明日……。
あ、それで慌てて仕上げようと、彼女は昼休みまで頑張って編んでいたのか?

「もうちょっと編んで、両端に大きな白いぽんぽんを一つずつつけたら完成なの」

ああ、それであの形か。

「あ、美空、そろそろチャイム鳴りそうだし、行くぞ?
じゃ、先輩方、また明日」

瀬田が、立花の手を引いて去っていった。

「誤解、解けた?
笹野君?」

首をかしげながら、彼女は俺を見上げる。

「あぁ。ごめん、秋穂……。
後で沢山、謝らせて……」

また名前で呼んで、こんなにも嫉妬してしまった自分が恥ずかしくて、目を逸らしてしまった。
後ろで緑木が「顔赤いし!」と笑う声が聞こえた。
< 76 / 99 >

この作品をシェア

pagetop