かわいいあなたにマフラーを
「あ、あの、わたしね……?」

「ん? 何?」

歩きながら話し始めた秋穂に相槌を打つ。

「最近、可愛いなって思うの……」

可愛い……?

「律君?」

「ち、違くてっ!
真冬君っ……が、だよ?」

「え、俺?」

驚いた。
言われた事ないぞ、可愛い、なんて。
どうして?

「真冬君て、一見本当にクールなの。
さっきクラスの女の子たちも言ってたでしょ?

でも本当はヤキモチ妬いたり、楽しそうに笑ったり。
恥ずかしがりなのに、時々すっごく大胆だったり。
律君と遊んでる姿とか、慌てる姿とか」

秋穂は楽しそうに言葉を続ける。




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