虹色研究部 - ニジケン -
「……カップル? そ、それって……!」


告白とも取れる爆弾発言にたじろぐ私を見て、國枝先輩は更にズイッと顔を近付けてきた。

ほんの数センチしか離れていない至近距離に、彼の端正な美しい顔が広がる。心臓がバクバクと仕事を早めだした。


「お願いだ、乃季」


切願するような甘い声を囁いた彼は、私の頭にコテンっと自分の頭を乗せた。

頬から耳まで、顔がじわりと熱を持つ。

対して私の手を取る彼の手は、ひんやりと冷たかった。


「えっと。それって、ど、どういう……」


私の言葉を聞いた彼は、触れていた頭をゆっくりと離した。

彼の息遣いが耳に触れて、身体がドキッと硬直する。


「俺には乃季しか居ないんだ」


「……は、はぁ」


熱を持つ頬を見られないようにと、向けられる熱い視線から逃げるように顔を逸らした。


「――いいんだな? よしっ! これで優勝はいただきだー!」


私の手をサッと離し、両手の拳を高く掲げた國枝先輩は、意味のわからない事を叫び出した。
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