虹色研究部 - ニジケン -
「この用意周到さ……。國枝先輩、私を誘う前から既に準備してましたね!?」


「うん。だって乃季と出場するって決めてたからね」


國枝先輩はあたかも当然であるかの様に言うと、柔らかい栗色の髪の毛をふわりと舞わせて、首を傾げた。

彼の奇想天外な言動にはほとほと困ってしまうのに、どうしてかいつも彼のペースに巻き込まれてしまう。


「皆も楽しみにしてるんだ。早速部室で色々と準備始めよう!」


私の手を掴んだ國枝先輩は、足踏みまでしていて、今にも走り出してしそうだ。


「親友Tも来る?」

「いいです」


食い気味に断ったトミーは、「いってらっしゃい」と呆れた様にヒラヒラと手を振る。


「ごめんね」と空いている方の手を顔の前で立てると、彼女は早く行けと言わんばかりに顎を出した。

それを合図に、國枝先輩は勢い良く廊下を走り出す。

こうして彼に手を引かれて走るのも、すっかり私の日常になってしまった。
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