虹色研究部 - ニジケン -
「私のですか?」


視線を落として、当てられたワンピースを見つめる。

全体的にフォルムががふわっとしていて、可愛いらしい雰囲気だ。


「乃季ちゃんには絶対にこのワンピースだってば!」


和田先輩はそう言い放つと、ニッコリと笑って私の前髪にサラリと触れる。

その笑顔には「そうよね?」と書かれていて、威圧感に負けた私は苦笑いを返した。


「それも悪くはねぇけど、絶対にこっちだ」


和田先輩を押し退けた蘭先輩が、負けじと自分の持っている服を「んっ」と仏頂面で差し出す。
私はそれを、黙って受け取った。

蘭先輩のオススメは、淡いグレーで落ち着いた雰囲気の、Vネックのニットソーワンピースだ。


「童顔で可愛い奴が、シフォンワンピースなんか着たらあからさまなんだよ。少しヌケ感のある、シンプルなニットぐらいが一番映える」


蘭先輩は淡々とそう言うと、私をチラッと見て威圧感を掛ける。

『可愛い』という単語に一瞬ドキッとするけれど、特に深い意味はないのだろう。
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