お面妖狐 〜覚醒妖狐と沖田総司〜 Ⅱ


ニヤリと男が口元を上げたその瞬間。

男の背中からバサッと音をたてて広がった
黒い大きな翼。






『天狗か』


「そのとーり♪
仲間でしょ?」






妖怪仲間ならね。






『その天狗がなぜ?』


「こいつから妖狐の姫が覚醒したと
聞いてね」






俺が頭に乗る変なやつを指さす。



手のひらサイズの何か。

耳は先が丸く、大きくて長い。
尻尾はフサフサしてそう。
色は白。






「こいつは、俺の相棒。
トト様」






様?
相棒に様??様??






「この大きな耳で空飛んで、
この尻尾には毒針がどこかに仕込んであって、狩りするときはそれを使って敵を麻痺させる。

トト様は毒を栄養にする事ができるから
毒はきかないんだ」





はぁ…。






「あ!俺は、ミキ!よろしく♪」

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