あたしはそれでもアキが好き
☆☆☆

7時になってすぐ家を出たあたしは、真っ直ぐにアキの家へと向かった。


こんな朝早くに行くとアキは怒るかもしれない。


でも、アキが出かけたりしてすれ違いになるのは嫌だった。


一晩中考えて出た答えを、すぐにでも伝えたかった。


あたしはアキの家の前に来て、その勢いでチャイムを押した。


家の中からは朝ご飯の匂いがしていて、バタバタと玄関まで走って来る足音が聞こえて来た。


やっぱり来るのが早すぎたかな?


朝は忙しい時間だし、まずは謝らなきゃ。


そう思って待っていると、玄関が開いた瞬間アキが顔をのぞかせたのだ。


てっきりアキのお母さんが出て来ると思っていたから、言葉を失ってしまった。


「美奈……?」


アキが混乱した表情を浮かべてあたしの名前を呼ぶ。


「あ……アキに話があってきたの」


「そんな感じだね」


アキはそう言うと、あたしを家の中へと促したのだった。
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