あたしはそれでもアキが好き
アキの部屋に案内されると、あたしは昨日と同じ場所に座った。


「ビックリしたよ。こんな時間にくるなんて」


アキは怒ったような口調でそう言った。


「ご、ごめんなさい……」


いくらすぐに自分の気持ちを聞いてほしいと思っても、先走りすぎたかもしれない。


アキはまだパジャマ姿だし、申し訳ない気持ちになった。


「で、なにか用事?」


突き放すようなアキの口調にあたしはジッとアキを見つめた。


「あたし、昨日調べたの」


「調べたって?」


「半陰陽について……」


そう言うと、アキはジッとあたしを見つめ返してきた。


その表情は何を考えているのかわからなくて、あたしはたじろく。


「しらべたって、どうせ何もわからないだろ」


アキの言葉があたしの胸に突き刺さった。


まるで諦めたようなその言い方も、そしてそれが図星だと言う事も、あたしの言葉を失わせる。


「1つだけ、わかった事があるよ」


「へぇ? なに?」


「あたしは、それでもアキが好き」
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