あたしはそれでもアキが好き
夏休みの終わり
課題を終えてカップルになれたあたしたちは、残りの夏休みを思う存分楽しんでいた。


行ける場所は限られているけれど、アキと2人で、しかもカップルとしていられるだけであたしは十分に楽しかった。


8月下旬。


夏の暑さはまだ続いているものの、夏休みは明日で終わる。


「今年の夏はよく日焼けしたなぁ」


こんがりと黒くなった自分の肌を見てそう言った。


「本当だな。俺も少しは黒くなった」


アキが腕を見せてそう言って来た。


元々色素の薄いアキは、その日焼けもすぐに元に戻りそうだった。


「また明日、学校でね」


分かれ道に差し掛かり、あたしはそう言った。


「美奈、少し話があるんだ」


「え?」


いつも通り帰ろうとしていたあたしは足を止めて振り返った。


西日でアキの表情がよく見えない。


「美奈俺たち……」


ドクンッと心臓が高鳴った。


なんだか嫌な予感がする。


次の言葉は聞きたくない。


そう思うのに、声が出なくてアキを止める事ができなかった。


「別れよう」


アキの表情はわからなかったけれど、アキの切ない声が、あたしの胸に突き刺さった……。
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