♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~③
「残念無念、すでにお前は今回起きようとしている事件に、すでに触れてしまっているのさ。

何故なら、今回俺様が用意した挑戦状の内容は、お前と礼士の奴が先程までいた、かるた部で起こる事だからだ。

気になる、気になると言っていたが、正にそいつは虫の知らせって奴だったのさ」

ヴァンパイア礼士の言葉を聞いて、驚いた春子。

「か、かるた部で、何かが起こる!?

い、一体何が起こるっていうの…」

「そいつは、今打ち出した挑戦状の内容で確かめてくれ。

…そう、そのコピー機から出て来たそれだ。

じゃあ、俺様はまた眠りにつくから。

目覚めた礼士君と、今回もがんばるんだぞ…」

「あっ、ちょ、ちょっと待ちなさい、ヴァンパイア礼…」

「ふわぁぁ…っ、て、はれ?はた知らない間に眠っちゃってたみらいだな。

ん?ど、どうひたのハルはん!

そ、そんな怖い顔ひて…




…って、う、うわっ!

な、何で僕、だ、大嫌いなトマトジュースの紙パックなんか握りしめて…」

「(-_-)…」




「…ま、また吸血奇術師の奴、僕達にこんな挑戦状を。

余程、人生暇なんだな、呆れちゃうよ。

ねえ、ハルちゃん?」

「…え、ええ」

知らない事とはいえ、自分自身の悪口を言っている事に気が付いていない礼士に、苦笑するしかない春子。

そんな風に、自分自身が思われているなどとはつゆ知らず、礼士は滑舌よく、手にしたその挑戦状を読み上げた。
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