囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
永岡さんがいつも使ってる自転車に跨り、浅田ART企画を目指す。

10分とかからない、その距離さえもどかしい。

人や車の合間を縫って、ぐんぐん加速する。


ハア、ハア、ハア、、、

着いた。


「こんにちは。山陽出版の青山です」

『浅田ART企画』と書かれたドアを押して中へ入ると浅田社長が出迎えてくれた。

シルバーグレーの髪がフサフサとしてて、ライオンみたいだなぁと常々思う。

「こんにちは。奥の応接へどうぞ」

穏やかな微笑みをたたえ、浅田社長が、もう一つ奥の扉を開けて、私を促す。

案内された応接室に入ると、児玉さんという浅田ART企画の社員がソファから立ち上がった。「児玉です」と短く名乗る。晴の先輩カメラマンだと言う。

お互いの挨拶が済んで、浅田社長が切り出す。

「青山さん、児玉君は昨晩、カンボジアから帰国したんだよ」



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