囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「将来、モデルになりたいって、夢を持ってた子でね、応募する写真を撮ってほしいと、彼に頼んだんだ。

もちろん、彼は快く了承して彼女を撮った。

けれど、彼女は仕上がった写真を持って帰宅途中に、事故に遭って亡くなってしまった」

浅田社長の瞳が、ぼんやりと遠くを見る。

「荻野君、自分を責めてね…写真を自宅へ届けてあげれば良かったとか、かなり落ち込んで、自分が写真を撮ったせいで事故に遭ったんだって、結論づけてしまった。

それからだよ。彼が人を撮らなくなったのは。自分が、写真を撮ると被写体になった人が死んでしまうって言って、過去に囚われつづけている」


『青山さんだけは、撮らない』

そういう意味だったのか。私を撮れば、私が死んでしまうと恐れたんだ…


「けれど、乗り越えたみたいだな。カンボジアに行って。ここに写ってる人たちは、みんなキラキラと生命力に満ち溢れている」

大きく頷く私……だけど
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