囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP

バン!

荻野君の所属する浅田ART企画の前で、彼を拾う。

約束の10時前に着いたけど、すでに荻野君は待っていた。
ヘッドホンをして、手元の文庫本を読んでいる。

これまでも、荻野君は待ち合わせ時間に、遅れてきたことがない。

律儀だし真面目だ。

2年前の私を思い浮かべる。荻野君と同じように出来てただろうか?

荻野君はプロ。さすがだな。

「荻野君、おはよう。お待たせしました」

車を路肩に寄せて、荻野君に手を振る。

「青山さん、おはようございます。迎えにまで来てもらって」

ヘッドホンを外した荻野君が、申し訳なさそうな表情をする。

「荻野君、気にしないで。お花見弁当を買ってくるよう言われてるから、車でちょうどいいんだ」
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