虹色ファインダー
・愛色
「奏次郎!!」
相変わらず無精髭の生えた顔を、こちらに向けて微笑む奏次郎。
髭剃ればちょっとは格好良いと思うんだけどなあ。
勿体ない。
「ハハ、ほんとに毎日来てやがる」
「そう言ったじゃん。ね、今日も写真持ってる?」
私は開口一番にそう催促して、昨日見れなかった分のアルバムを受け取る。
昨日見たのは人物とか動物が多かったけど、今日のは少し違う。
花や木、風景なんかが多い。
「風景も撮るんだね。私も撮るなら風景が良い」
だけど私の撮るものとは違っているって分かる。
写真を追う目は止められないのに、一枚一枚が惹きつけて離さない。