Pathological love

“令子ちゃん!!聞いて欲しいことがあるの、今すぐ来て!!”


一ヶ月経ったある日の事、仕事中にこんなメールが来て、私は急いで芦屋デザイン事務所に向かった。

呼び鈴を鳴らしても誰も出て来なかったので、半ば強引に戸を開けて入って行った。


「京子さん?!居ますか?!」


リビングの扉を開けて飛び込む様に入ると、京子さんはいつものだらけた格好で奏也さんの膝枕で横になっていた。

手にはティッシュボックスを抱えている。


「あっ!いらっしゃ~い!待ってたわよ、令子ちゃん!」


「何かあったんですかっ!!」


「それがさぁ………聞いてよ!!この間、コンペがあったんだけど………あぁ、無理!!これ以上は言いたくない!!奏也が話して!!」


京子さんに言われて、奏也さんに視線を移すと少し困った様な顔で答えてくれた。


「コンペはうちと他の二社だったんですけど………要するにうちが負けたんです。」


「京子さんが負けた?信じられません!!一体何処に決まったんですか?」


京子さんに話題を振るが、ホールケーキをやけ食いとばかりにほうばっていて答えてくれない。


「連理のとこです。」


「えっ?嘘っ!もしかして、白精堂ですか?!コンペの相手って京子さんだったんですか?彼そんな事何も言ってなかったのに………うち広告請け負ってますけど何も聞いてないです。」


「今日の午前中に電話があって………うちが断られたの!!あぁ~…連理の奴め~!!」


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