Pathological love
小さな仏壇に、小さな写真、窮屈そうに置かれたピカピカの位牌だけが妙に浮いている。
誰にも知らせず、ホスピスで密葬という形で葬式をした。
親戚と呼べる人も居ないし、私1人と看護師の数人、担当医の先生、それからどこから聞きつけたのか黒木先生と白金さんが参列してくれた。
これでいい。
人数が多ければ多い程、母親がこの世に居なくなってしまったんだと思い知らされる。
もう、私は天涯孤独になった。
全てが上手く行かない最近、私は無気力で部屋に閉じこもる事しか出来なかった。
幸い赤坂部長が仕事の方はフォローしてくれているけれど、このまま戻れなければきっとクビになるだろう。
それでもいいかも知れない、キャリアにこだわる理由も無くなってしまった私には。
鳴らない携帯を遠くに眺めながら、私は布団にくるまった。
「このまま、消えちゃわないかな…………。」
ここの所、ろくな食べ物も口にしていない。
それでも不思議とお腹は減らなかった。
胸はいつもギュウっと苦しいモノでいっぱいで、涙は枯れることなく勝手に流れてくる。
「お母さん……会いたい…………。」
毎年誕生日に送られて来ていた手紙を、読み返す毎日。
散らばった手紙の内容は、どんなに見返して見ても同じ様な内容だった。
「いつも仕事の事ばかり……たまには違う事も書いてよね………………。」
母は最後までその事にこだわった。
それが、私の幸せだと……それならば独りになった今こそ、その望みを叶える時なんだろう。