強引上司と過保護な社内恋愛!?
そうこうしているうちにお店に到着する。

桧山さんが予約したのは表通りから奥に入った裏通りの一角にある小料理屋だった。

表門をくぐり、敷石を踏みしめて中に入れば、古い日本家屋風の建物が見えてくる。

侘び寂びがきいていていかにも外国人が喜びそう。

暖簾をくぐり引き戸を開けて店の中に入る。

古い木材を使った店内は所々に骨董品やアンティークの置物が飾られていて、洗練されているが、どこか懐かしく親しみやすい雰囲気だ。

中年の上品そうな女性が「いらっしゃいませ」と出迎えてくれた。

「こんばんは、白倉さん」

桧山さんは物腰柔らかな笑みを浮かべる。

「いらっしゃいませ、桧山様」

白倉さん、と呼ばれた中年の女性は深々と頭を下げる。

「暫く見ないうちに随分ご立派になられて見違えましたわ。今日は素敵なお嬢さんもお連れになって」

白倉さんは笑うと目尻に皺が寄り優しそうな印象になる。

話しの内容からすると以前から桧山さんの事を知っているようだった。

桧山さんがこんな品のあるお店に出入りしているなんて意外。
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