強引上司と過保護な社内恋愛!?
「こんばんは」

接待でお会いしたルークさんが声を掛けて来た。

「本日はお招きいただきありがとうございます」

桧山さんは左手を差し出して、ガッチリ握手を交わすと、松井課長と立岩地所の面々をそれぞれ紹介する。

初対面の挨拶を済ませると、ルークさんは館内を一通り案内してくれた。

その後に応接室で簡単な打合せをする。

天井の高い広々した部屋に置かれたゴブリン柄のソファーに私達は腰掛けた。

桧山さん達は、予算やコンセプトをどのように検討しているか話し合っているが、私はよく解らないので気付かれないよう辺りに視線を巡らせ観察する。

応接室に飾られている絵画やアンティーク風の置き時計は、そこはかとなく気品が漂い高そうだ。

売ったらいくらくらいになるのかな。

こんな不謹慎な事を考えているのがバレたらきっと怒られるだろう。

「それで、田母神さんは本日館内をご覧になられていかがでしたか?」

ルークさんは一切発言をせず黙りこくっている私を気遣ってか、意見を求めてくる。

どうしよう…急に聞かれてもよく解らないや。

「緑が…美しいと思いました。無くなってしまうのが惜しくいくらい」

咄嗟に口を突いて出た私のKY発言に、桧山さんが射抜くほど鋭い視線を向けて来た。

会議室で愛おしそうに私を見つめていたのが幻だったんじゃないかと思うくらい。
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