強引上司と過保護な社内恋愛!?
「でもさ、桧山くんはこうして酔い潰れたらいつもの定位置に来るじゃない?」

美樹さんがしみじみ言うと、私達は揃って背後に視線を向ける。

当の本人である桧山さんは、天使のような顔でスヤスヤと眠っている。

飲み会で女性に囲まれてご満悦になり、若い衆と騒いでたと思ったら、呆気なく酔いつぶれてこの様だ。

最近気付いたのだけど、桧山さんは下戸だと思う。

「何だかんだ言って私達の側が安心するんだと思うの」

手負いの獣のような言われっぷりだ。

「そんなん迷惑ですよ。いわれのないやっかみも受けますしねー」

加奈ちゃんは右斜め前方へ視線を向ける。

営業企画部の女子達が険しい表情でこちらの様子を伺いながらコソコソ話している。

「そういえば最近泉ちゃん営企の石川さんに虐められてない?」

美樹さんが心配そうにて眉根を寄せる。

「大丈夫ですよ。トイレで遭遇すると85%くらいの割合で嫌味を言われるけど、もう慣れました」

解決に至っていない、という私の回答に、美樹さんと加奈ちゃんは苦笑いを浮かべた。

「飲んでます?」

不意に声をかけられて顔を上げると営業推進グループの若手社員数人がグラスを片手に移動してきた。
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