強引上司と過保護な社内恋愛!?
「いやー営業本部の綺麗処と飲みたいってこいつらがうるさくて」

声をかけて来た男子が、後ろの取り巻き達に視線をチラっと向ける。

短髪で笑顔も爽やかだ。なかなかいい感じ。

営業推進グループにこんなフレッシュな若者達がいたなんて!

わくわく動物園の濃ゆいキャラに霞んでしまって今まで気付かなかった。

「おい!お前が一番飲みたがってたんだろう!」

後ろの取り巻きがガヤって来る。

まあ、と言って加奈ちゃんは小首を傾げニコリと可憐に微笑む。

さっきのヤサグレ感が嘘みたい。

「あれ…桧山さん?」

爽やか好青年は背後に眠る桧山さんに視線を落してギクリと固まる。

さっきまで賑やかしていた後ろの取り巻きも急にシンと黙り込む。

「あの…お酒…持ってきますね」

若手社員達は蜘蛛の子を散らすように立ち去る。

結局そのまま帰って来なかった。

「こいつか…こいつのせいか」

加奈ちゃんは背後の桧山さんに恨みがましい視線を向ける。

「仕方ないよ。若手社員の子たちは、みんな桧山くんに怯えているから」

美樹さんは肩をすくめながら、可笑しそうにクスクス笑った。
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