強引上司と過保護な社内恋愛!?
桧山さんが会議に行くと仕事がはかどるはかどる。

活き活きと業務をこなしていると、内線が鳴る。

「はい、営業本部田母神です」

『あ、いずみん?』

電話から木彫りの小日向さんの声が聞こえて来た。

『桧山の荷物持って医務室に来てくれる?』

私の心臓が大きく脈打つ。

「どうかしたんですか?」

『桧山が会議中に高熱でぶっ倒れた』

頭の中が一瞬真っ白になった。

ああ、私が仕事をするのを止めていたら…と、痛切に後悔する。

返事もせずに無言で電話を切ると、桧山さんのデスクに行き慌てて荷物を纏める。

「桧山さん、どうかしたんですか?」

桧山さんの荷物を両手に抱える私を見て声を掛けてくる。

「熱で…倒れたって」

「まったく人騒がせな男ですね~」

なんて気楽に言う加奈ちゃんのお小言を「まったくだね」と、適当に受け流し、慌ててエレベーターホールに向かう。

到着したエレベーターに乗り込むと、医務室のある3階のボタンを押した。

本当に辛かったんだ…桧山さん。

あんな冷たくあしらわなきゃよかったな。もっと優しくしてあげればよかった。

桧山さんの荷物を両腕でギュッと抱きしめると、愛用しているコロンが仄かに香った。
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