強引上司と過保護な社内恋愛!?
「あの…だけど私もホテルを予約していてですね…」

「それはベベックがキャンセルしてくれたから大丈夫だよ」

「何時の間に?!」

部屋の隅には見覚えのあるライトブルーのスーツケースがいつの間にか運ばれていた。

さすが出来る男。仕事が早い。

「でも、ここもんの凄く高いんじゃないですか?!私払えるかな…」

「いいよ…泉はそんな事は気にしなくたって。俺が勝手予約したんだから」

桧山さんは呆れたようにスッと目を細める。

「いや…でもそんな事言ったって」

モジモジしていると、腰をグイッと引き寄せられて横向きの体勢で強制的に膝の上に座らされた。

私は落っこちないように桧山さんの肩に手を掛けると、必然的に同じ目の高さになる。

「気に入った?泉」

「はい、とっても素敵ですが…」

だろ?と得意気に言って、桧山さんは目元を綻ばせる。

そのままちっちゃな顔を傾けてゆっくり近づけてきた。

唇が触れるまで後数㎝のところで私のお腹が盛大に鳴った。

「なんか…すいません」

バツの悪さにお腹を押さえて真っ赤になって顔を横に背ける。

「一先ず夕飯食べるか」

桧山さんは可笑しそうにクスクス笑う。
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