強引上司と過保護な社内恋愛!?
ランチは数少ない同期の柳井真奈と一緒に会社近くのカフェにいく。

「わくわく動物園はどう?」

真奈はタンドリーチキンをナイフで切りながら尋ねる。

艶やかなダークブラウンのボブヘアに大きな瞳。

じっと見つめられると女同士でもドキドキしてしまう。

「…超最悪」

お通夜のように意気消沈している私を見て真奈は「何があったの?」と言って、整った眉を潜める。

昨晩桧山さんの介護から始まり、でっかいキスマークを付けたまま活き活きと仕事をした経緯を一気に捲し立てる。

話し終わって肩で息をつく私を見て、真奈は爆笑した。

見せて見せて!と面白がりながら立ち上って私の背後に回り込む。

黒いロングヘアーを指先でサラリと掻きわけると「ついてるー!超!べったり!」再び大爆笑された。

スマートフォンで撮ってもらった写真を見ると、直径3cmほどの赤い痣がくっきりうなじに刻まれていた。

それを見た瞬間、泡を吹いて卒倒しそうになる。

これを営業本部の人に見られたかと思うと、もうわくわく動物園に戻れる気がしない。

「営業本部ですっごく素敵な人いるよね。背が高くて目がパッチリしてる人。その人が桧山さん?」

ああ…と言って私は表情を曇らせる。

「多分そう」

私は眉根を寄せながらトマトラグーのリゾットをチビリと口に含む。
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