強引上司と過保護な社内恋愛!?
「そう思うなら北海道出張の支払い依頼書をとっとと出してもらえませんかねえ」

一転して眼つきが鋭くなり声にもドスが利いている。

「ああ…えーと…うん」生返事をしながらこそこそと自分の席へ立ち去っていった。

あっさりと桧山さんを退散させてしまうとは。

「加奈ちゃんは強いね。オコジョのようだよ」

「なんですか?それ」

可愛いけど意外と凶暴なイタチ科の動物、と言ったら怒るだろうからアルカイックスマイルで交した。


◆◇◆

「ふぅ…」

残務処理が一段落し、時計を見ると既に20:00を回っていた。

窓の外に目をやると、美しい夜景が広がり、遠くにオレンジ色の東京タワーが見える。

…会社が絶景スポットってのは何だか皮肉だな。

再びパソコン画面に視線を戻すと目が霞んでショボショボする。

一息入れようと席を立つ。眉間を揉みながら給湯室へ向かった。

マグカップにお湯を注ぎ、ティーバッグを浸す。

ふんわりとカモミールの香りが広がった。

ハーブティーなんて洒落臭いと思ってたけど、ここのところストレスフルな日が続き、身体が癒しを欲するようになって来た。

お行儀が悪いけど、立ったまま一口飲むと思わずホッとため息が出る。
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