強引上司と過保護な社内恋愛!?
ランチが終わると、重い足を引きずりながらわくわく動物園へと戻る。

フロアに一歩足を踏み入れると、飛び交う怒号と慌ただしい雰囲気にうんざりする。

午前中に受けた引継をマニュアルに纏める。

「おはよう!いずみん」

舐めた呼び方に険しい顔で振り向くと、爽やかな笑顔満載で桧山さんが出社してきた。

シングルボタンの黒いトレンチをサラリと着こなし今日も元気にイケメンだ。

「…おはようございます。もう午後ですけどね」

対照的に私は生気のない顔で挨拶する。

この軽薄な輩のせいで、地味な私生活を送る私が意外とお盛んに見られたかと思うと腸が煮えくり返りそうにな
る。

「あれ?どうしちゃったの?怖い顔して」

誰せいだ!誰の!

…と言いたいところだけど「地顔です」と一言返す。

「私の事は無視ですかぁ?」

加奈ちゃんが上目遣いで見上げ、可愛らしく小首を傾げる。

「嫉妬か?ニッシーも可愛いぞ」

桧山さんはニッコリ天使のような笑みを浮かべる。

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