強引上司と過保護な社内恋愛!?
「5年前なら桧山さんとお付き合いして振り回されるのも刺激的でいいかもしれません。しかし私は今年30なので、結婚への発展性がないお付き合いをしている場合じゃありません」

「発展するかもしれないじゃん。いずみん次第だよ?」

「そうゆう手練手管を上手く使えないタイプなので桧山さんをその気にさせるのは難しいと思うんですよ」

「やってみないとわからないじゃん」

桧山さんは頬づえをつき、丸い目でジッと私の顔を覗きこむ。

…これは所謂口説かれている、という状況なのだろうか。

しかし、あくまで桧山さんは結婚する気がない、というスタンスが前提で、恋愛HP低めな私がどうにかしなければならないと言う事になる。

なんか…めんどくせぇな、それ。

そもそも私は桧山さんのことなんて好きじゃない。カッコいいとは思うけどね。

だったら結婚願望のある誠実な人を探した方がいいのではないだろうか。

「いいえ、結構です。どうもありがとうございます」

私はペコリと一礼し丁重にお断りさせていただいた。
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